Mac OSX、iPhone、AndroidでもIEを試せる「RemoteIE」を試してみよう
Webブラウザによる業務システムが普及してくるのに伴って、OSの自由度が広がっています。数年前であればWindows機ばかりだったオフィスもMac OSX導入が進んでおり、さらにデスクトップではないスマートデバイス(スマートフォン、タブレット)を使った業務システムも使われています。
とはいえ開発の現場ではIE向けにも正しく表示できるかのテストは必ず必要になります。IEもブラウザシェアのばらつきがあり、すべてのブラウザが網羅できているとは限りません。
ローカルで各バージョンのIEを試す手段としてはmodern.IEによるVMイメージの提供があります。しかし、VMをローカルで動かさなくて済めば、もっと手軽にテストができるでしょう。
というわけで、今回はリモートでIEが試せる「RemoteIE」を使ってみます。

RemoteIEは現在のところIE 11に限定して提供されています。またRemoteIEはベータ版なのでご注意ください。
必要なもの
マイクロソフトのアカウント
Live.comのアカウントが使えます。
Microsoft Remote Desktop
以下のプラットフォーム向けに提供されています。
- Mac OSX
- iPhone/iPad
- Android
- Windows Phone 8.1
- Azure RemoteApp for Windows x86
- Azure RemoteApp for Windows x64
- Azure RemoteApp for Windows RT

今回はMac OSX版を試しています。
Microsoft Remote Desktopの起動
Microsoft Remote Desktopを起動したら、Microsoft RemoteAppをクリックします。

開いたウィンドウでLive.comアカウントでログインします。

そうするとMicrosoft RemoteAppとしてInternet Explorerが追加されています。

このIE Technical PreviewをダブルクリックするとRDPが開始します。
使ってみる
RemoteIEではウィンドウ全体にIEが表示されます。面白いのは一つのウィンドウとして立ち上がっていることです。リモートデスクトップとしてOSが使えるのではなく、あくまでもIEだけが使える状態です。
最初にWindows 8風のログイン処理が行われます。

こちらが表示した状態です。日本語も問題なく表示できます。日本語の入力はできませんでした。

バージョンは IE 11.0.9879.0 になります。

性能を見る
HTML5 Testを使ってみたところ、376ポイントでした。Google Chrome 38が512なのでHTML5については、まだまだこれからといった所でしょうか。

F12 Developer Toolsという開発ツールを立ち上げることができます。Google ChromeでいうDevToolsです。

コンソールを使ったり、プロファイルを実行できます。

HTMLソースの変更も可能です。

もちろんブレークポイントも。最初の読み込み時にもブレークポイントが仕込めます。

制限
リモートと言うこともあって制限もあります。まずインターネットオプションは使えません。

印刷もできません。

ブックマークは使えましたが、セッションは10分間の放置または1時間で破棄されますので使うことはなさそうです。
雑感
現状ですと、自動化テストで使うと言ったような積極的な活用ではなく、一旦Google ChromeやFirefoxで作ったWebアプリケーションの最終確認としてIEでテストすると言った使い方になるかと思います。互換モードで過去のIEでの表示をテストすることもできますのであくまでも表示乱れがないかの確認と言ったところでしょう。
初めに述べたように、Microsoftでは各バージョンのIEを動かすための仮想マシン(VirtualBox/VMWare Fusion/Parallels)も提供しています。こちらはローカルでいつでも使えるメリットがありますが、ライセンスは90日間に限られます(再ライセンスは可能)。リモートであれば動作が重たくなったりもしませんので、IE 11のみならず使えるブラウザが広がってくれると使い勝手が良くなりそうです。
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