HTML5開発に適したIDEを探す(その8)「Orion」
引き続きHTML5開発を目的としたIDEを紹介していきます。これまでに紹介してきたIDEは以下の通りです。
今回は、先日8.0がリリースされたEclipse Foundationが開発しているクラウドIDE、Orionを紹介します。まだ機能不足感はぬぐえませんが、今後は開発環境のクラウド化もどんどん進んでいくと思われますので要注目の存在と言えるのではないでしょうか。

エディタはESLintに対応
JavaScriptの文法チェッカーが入っており、JavaScriptファイルを開くと自動的にチェックが行われます。コードとして動作はしますが、注意と警告が表示されます。

注意のアイコンなどにマウスを当てると、その内容が表示されます。

チェックする内容は設定画面で変更可能です。基本的にはそのままで良いかと思いますが、JSDocがない場合はIgnoreとなっているのは好み、プロジェクトの規模などによって選択が分かれる所でしょう。

また、右側にはコード全体が縮小されて表示されています。これを見ることで全体の長さや、自分が今どこを修正しているのかが俯瞰的に見られるようになります。
入力補完機能
HTMLは問題なく入力補完が可能です。

JavaScriptの入力補完は開いているファイル内に留まるようです。
HTMLやJavaScriptファイルはアウトライン化もできます。全体の構造が分かりやすくなるでしょう。

プラグインによる拡張
オープンソース・ソフトウェアらしく、プラグインによる拡張に対応しています。まだ数は多くありませんが、今後プラグインによってどんどん便利になっていくと思われます。

デプロイ機能
Orionをサーバとしてデプロイする機能があります。自分のローカルでは設定が必要と思われますが、クラウド版のOrion Hubでは自動的にサーバが立ち上がってアクセスできるようになります。

Gitサポート
バージョン管理システムとしてはGitをサポートしています。プロジェクトをはじめるに当たって、GitHubなどのリポジトリを指定してcloneしてはじめることも可能です。Gitはリポジトリビューワーとしても使える他、コミットやプッシュといった処理も可能です。

Orionはダウンロード版を使って自分でサーバを立てる方法と、クラウド版のOrion Hubを使う2種類が用意されています。Orion Hubで使われているのは安定版になると思われますので、新しい機能を使っていく際にはダウンロード版をお勧めします。
現状で言うとWebブラウザ上で開発できるという以上の大きなメリットはないかも知れません。デバッグ機能やブレークポイントの設定といった機能はありませんので、ブラウザのものを頼ることになります。
ただし、Orion Editorを自分のサイトに組み込めたり、開発環境の整備が不要、コードのシェアが容易などクラウドならではの開発スタイルも実現できます。開発はとても盛んで、既に9.0の開発に着手しています。それだけに今後の発展に目が離せない存在と言えそうです。
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